令和5年度 化学 第1種放射線取扱主任者試験 解説と模擬問題

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総評

 全30問中、無理問題3問、難問5問
 明らかな無理問題も数問あり、難問も多めで今年の全科目の中で一番難しかったと思われる
 そのため、今年度の化学は7割切らなければ良いだろうくらいが目安か

 

模擬問題

/12

令和5年度 化学

国家試験問題そのものではなく、模擬問題です
令和5年度の過去問を参考に、解けなくてはならない問題のみが出題されます
不適切問題がありましたら、ご連絡いただけるとありがたいです

1 / 12

ランタノイド元素とアクチノイド元素に関する次の記述のうち、正しいものはどれか

2 / 12

核反応のうち、18 F を直接生成しないものはどれか

3 / 12

2 核種間に永続平衡が成立しないものはどれか

4 / 12

イメージングプレート(IP)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか

5 / 12

放射性核種の化学分離に関する次の記述のうち、正しいものはどれか

6 / 12

ヨウ素に関する次の記述のうち、間違っているものはどれか

7 / 12

ラジオコロイドに関する次の記述のうち、正しいものはどれか

8 / 12

次の記述のうち、正しいものはどれか

9 / 12

次の記述のうち、90 Sr と137 Cs の両者に当てはまるものはどれか

10 / 12

次の実験操作のうち、放射性気体を発生するものはどれか

11 / 12

核分裂に関する次の記述のうち、間違っているものはどれか

12 / 12

放射性元素の化学的性質に関する次の記述のうち、間違っているものはどれか

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解説

 対策ノートで対応できていた問題に関しては特に記載しませんので、下記のページを参照して下さい

化学 トップページ
・放射性核種 ・放射性壊変と放射能 / 核分裂 ・放射平衡 ・核反応とRI製造 ・RIの分離法 ・放射化分析 ・RIの化学分析への利用 ・化学反応  放射線と化学についての範囲  出題範囲が物理と被りやすいので、対策ノートではどちらかに記載してあるはず  記事検索を使っていただけると探しやすい  出題方式としては選択問題30問30点、文章問題大門2問30点の計60点  放射線主任者の問題としては結構直球に「ザ・放射線」みたいな内容なのでできるだけ得意科目にしたい  出題範囲の一つにRIほぼ関係なく、化学反応式を覚えてなくてはならない問題があるので、中学化学程度でいいがまとめて覚えておくとよい

 ここからは当サイトが独断と偏見で、難問または無理問題として認定した問題について解説します

問4 無理問題

 塩素に関する問題
 後述の水素や炭素ならまだしも、塩素に関してここまで詳しくやるのは無理か
 続くようなら対策するが、今のところ対策ノート未対応
 項目のみ追加

放射性核種
核種まとめ (R4.1.4(実務), R4.12(物理), R4.2.11.31, R3.8(物理), R3.1(実務), R3.10.12.18, R2.28,R1.15.17.27) 核種 壊変 方式 エネルギー(MeV) α・β線 γ線 半減期 その他 3H★ β- 0.02   12年 β線のみ放出/天然RI/ 7Be★ EC   0.5 53日 中性子線源/天然RI 11C β+   0.511 20分 14N(p,α)11C 14C★ β- 0.15   5.7×103年 β線のみ放出/天然RI 13N β+   0.511 10分 16O(p,α)13N 15O β+   0.511 2分 14N(d,n)15O 18F β+   0.511 110分 20Ne(d,α)18F 18O(p,n)18F 30P★ β+   0.511 2.5分 初めて人工的に得られたRI 32P★ β- 1.7   14日 β線のみ放出 35S★ β- 0.17   87.5日 低エネルギーβ線 40K★ β- 1.3   1.2×109年 天然RI/12億年 45Ca★ β- 0.26 ...

 

問15.16 難問

 トリチウムと炭素に関する問題
 こちらは塩素と違って頻出だが、内容が少々難しいか
 対策ノート対応済み

放射性核種
核種まとめ (R4.1.4(実務), R4.12(物理), R4.2.11.31, R3.8(物理), R3.1(実務), R3.10.12.18, R2.28,R1.15.17.27) 核種 壊変 方式 エネルギー(MeV) α・β線 γ線 半減期 その他 3H★ β- 0.02   12年 β線のみ放出/天然RI/ 7Be★ EC   0.5 53日 中性子線源/天然RI 11C β+   0.511 20分 14N(p,α)11C 14C★ β- 0.15   5.7×103年 β線のみ放出/天然RI 13N β+   0.511 10分 16O(p,α)13N 15O β+   0.511 2分 14N(d,n)15O 18F β+   0.511 110分 20Ne(d,α)18F 18O(p,n)18F 30P★ β+   0.511 2.5分 初めて人工的に得られたRI 32P★ β- 1.7   14日 β線のみ放出 35S★ β- 0.17   87.5日 低エネルギーβ線 40K★ β- 1.3   1.2×109年 天然RI/12億年 45Ca★ β- 0.26 ...

 

問18 難問

 放射線を利用した化学分析に関する問題
 年代測定は頻出だが、もう一つの正答がアクチバブルトレーサで、少し難しいので難問認定

放射化分析
放射化分析の利点 「検出感度が良い」 「試薬などの汚染がない」 「核反応なので元素の化学的性質に影響されない」 「多元素同時分析ができる」 「非破壊分析ができる」 放射化分析の欠点 「精度が低い」 「副反応による妨害がある」 「自己遮蔽の影響がある」 「原子炉など中性子発生源が必要」 生成放射能の計算 (R5.32, R4.6, R3.7.31, R2.7.3(実務),R1.31.32) ・試料を時間t照射して,直後に得られる放射能A  A=f×σ×N×(1-e-λt)    =f×σ×N×(1-(1/2)t/T) f:照射粒子束密度(n/cm2・s) σ:放射化断面積 N:試料の原子数   ・原子数N  N=θm/M ×6.02×1023  θ:存在比    m:試料質量    M:試料原子量 また,t<<Tの場合  A = f×σ×N×(0.693×t/T) ・照射終了後,時間d経過後の放射能Ad  Ad=A×e-λd    =A×(1/2)d/T 放射化分析 (R5.26) ・放射線計測  「Ge(Li)」または「Ge」半導体検出器つき多重波高分析器を使用する →γ線に対するエネ...

 

問19 無理問題

 炭素化合物の揮発性に関する問題
 これは一々覚えてらんないので無理
  対策もしません

 

問23 難問

 塩化カルシウムとソーダ石灰に反応するものを問う問題
 対策ノートの化学反応に関するページだけでは実は対応しきれないのだが、なんとなくわかるのでは?ということで難問認定

化学反応
化学:(R5.20, R4.12.19.21, R3.15.16, R2.21.24,R1. 5.18.20.21)   実務:(R4.4, R2.4,R1.4) 沈殿発生系 ・硫酸塩沈殿X SO4 ↓ X:「Ca2+」「Sr2+」「Ba2+」「Pb2+」「2Ag+」 ・リン酸塩沈殿 ( X ) + HPO42- → X HPO4 ↓ 3( X ) + 2OH- + 2HPO42- → X3 (PO4)2 ↓ + 2 H2O X:「Ca2+」「Sr2+」「Ba2+」 ( X ) +PO43- → X PO4↓ X:「Fe3+」「3Ag+」「Al3+」 ・硫化物沈殿しないもの X S↓ 「Mg2+」「Ca2+」「Sr2+」「Ba2+」「Na2+」「K2+」「Cs2+」 ・塩化物沈殿 X Cl↓ X:「Hg+」「1/2Pb2+」「Ag+」 ・クロム酸塩沈殿 X CrO4↓ X:「Ba2+」「Pb2+」「2Ag+」 ・炭酸塩沈殿X CO3↓ X:「Ba2+」「Sr2+」「2Ag+」「Ca2+」 気体発生系 FeS+2HCl → FeCl2+H2S↑ NaHCO3+HCl → NaCl+H2O...

 

問24 無理問題

 放射能測定に関する問題
 だが、全体的に意味不明なので解くのは難しいだろう
 特に一つだけ弾かなければならない「測定装置に関する国家標準」に関しては主任者の範囲では難しい

 

問29 難問

 ラジカルの反応速度に関する問題
 対策ノートでは生物の範囲
 ただし、ざっくりした範囲の時間を聞いてくるのではなく、かなり細かいオーダーで答える必要があるので難問認定

分子レベルの影響
反応過程の時間的スケール  ・物理的過程 (10-19~10-13秒)   照射~電離・励起~ ・化学的過程 (10-12~10-4秒)    ~ラジカル生成・反応~ ・生化学的過程 (10-3~10-1秒)    ~DNAの損傷~ ・生物学的過程 (100~秒)   ~DNAの修復~ DNA損傷の種類 ・直接作用 :DNAの構成原子が放射線に電離・励起され,直接DNA損傷を引き起こす作用 ・間接作用 (R5.13, R5.29(化学), R4.29(化学), R4.9.31, R2.15,R1.28(化学).29(化学)) :水分子が放射線に電離・励起され,フリーラジカルが形成され,これによる生体分子からの水素引き抜き反応によって,DNA損傷が引き起こされる作用 ・水分子の励起 :H2O → ・OH + ・H   ・水分子の電離 :H2O → ・H2O + 電子e-  ・H2Oによって・OHまたは・Hが生成される  電子e-によって水和電子eaq-が生成され,eaq-によって・Hが生成される ・フリーラジカル :不対電子をもつ原子や分子、イオンのこと  活性酸素種で以下のものがある ...

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対策ノートの使い方

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・出題年数の見方
 例:物理学の対策ノートで(R3.19, R3.14(生物), R2.15, R1.2.3.4)
 R3.19 → 物理学の令和3年の19問目
 R3.14(生物) → 物理学ではなく、生物学の令和3年の14問目
 R2.15 → 物理学の令和2年の15問目
 R1.2.3 → 物理学の令和1年の2問目と3問目


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