分子レベルの影響

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反応過程の時間的スケール 

・物理的過程 (10-19~10-13秒) 
 照射~電離・励起~

・化学的過程 (10-12~10-4秒) 
  ~ラジカル生成・反応~

・生化学的過程 (10-3~10-1秒) 
  ~DNAの損傷~

・生物学的過程 (100~秒)
  ~DNAの修復~

DNA損傷の種類

・直接作用
:DNAの構成原子が放射線に電離・励起され,直接DNA損傷を引き起こす作用

・間接作用
(R2.15,R1.28(化学).29(化学))
水分子が放射線に電離・励起され,フリーラジカルが形成され,これによる生体分子からの水素引き抜き反応によって,DNA損傷が引き起こされる作用

*水分子の励起
:H2O → ・OH + ・H
 
*水分子の電離
:H2O → ・H2O + 電子e-
 ・H2Oによって・OHまたは・Hが生成される
 電子e-によって水和電子eaq-が生成され,eaqによって・Hが生成される


*フリーラジカル
:不対電子をもつ原子や分子、イオンのこと
 活性酸素種で以下のものがある

 ・OH(ヒドロキシラジカル)
:活性酸素の中では最も反応性が高く,最も酸化力が強い
間接作用の主となる

 O2・-(スーパーオキシドアニオン)
:ラジカルとしての反応性とアニオン(還元剤)としての性質がある

 三重項酸素
:2個の不対電子を有するビラジカル

*スパー(スプール)
:放射線によって生成されたイオンやラジカルの集合体

LET(Linear Energy Transfer)線エネルギー付与

(R3.27.28, R2.28,R1.20)
 放射線が媒体中を通過する際に媒質に与える単位長さあたりのエネルギー
 放射線の線質の違いを表す指標として用いられる
 単位:J/m(keV/μm)

・低LET放射線
:「X・γ線」「β線」「電子線」「陽子線
 間接作用による1本鎖切断がメイン(70%程度)

・高LET放射線
:「α線」「中性子線」「重イオン線
 直接作用による2本鎖切断がメイン

・ブラッグピークのある放射線 
陽子線」「α線」「重イオン線

RBE(Relative Biological Effectiveness)生物学的効果比

(R2.29)

生物学的効果」「生物の種類」「線量率」「酸素濃度」「生理的条件」「増感剤」によってRBEは変化する

・基準放射線
:放射線医学では250keVのX線
 それ以外は60Coγ線

・炭素線のRBE:2~5
・陽子線のRBE:1~1.1

OER(Oxygen Enhancement Ratio)酸素効果比

(R3.17, R1.31)

間接作用の修飾要因

 (R3.16, R2.13.14.21,R1.13.16)
・酸素効果 
 酸素中で物質を照射した方が無酸素中で照射するよりも放射線感受性が高くなること
 照射直前や照射直後に酸素を与えても酸素効果は発現しない
 20mmHg程度で飽和する

・保護効果
 放射線防護剤(ラジカルスカベンジャー)による間接作用の低減
シスタミン:S-S結合
 システイン/システアミン/グルタチオン:SH基(チオール基)
 アルコール/ベンゼン/グリセリン/ポリエチレングリコール/ジメチルスルホキシド(DMSO):OH基

・温度効果
 温度が高い
→ ラジカルが拡散しやすい
→ 間接作用の効果

・希釈効果

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