放射線の影響
(R4.6(実務), R4.5.22, R3.9.32)
影響 | 閾値 | 線量依存性 | 防護 目標 |
例 | |
発生率 | 重篤度 | ||||
確定的影響 | 有 | 有 | 有 | 防止 | 下記以外 |
確率的影響 | 無 | 有 | 無 | 防護 | 発がんと遺伝的影響 (遺伝子突然変異・染色体異常) |
確定的影響
発生率は線量に依存し,重症度は線量に依存し,閾値は存在する
確率的影響
・リスク
(R5.7, R4.23)
:白血病は絶対リスク予測モデル(線量に比例)
他の固形がんは相対リスク予測モデル
・絶対リスク
:単位線量当たりの発生数
→相加予測モデル
年齢にかかわらず影響は一定
・相対リスク
:被ばく集団発生率÷コントロール集団発生率
→相乗予測モデル
高齢で高リスク
・過剰リスク
:放射線被ばくに関連したある健康影響の発生率がどれだけ過剰にあるかを示す
過剰相対リスクが0.5なら相対リスクは1.5となる
・過剰相対リスク
(原爆被爆者の疫学調査)
(R3.7, R2.6,R1.7)
高い順に
:白血病>腎盂尿管>乳房>膀胱>卵巣>(食道,胃,結腸,肝臓,胆嚢,肺)
固形がんでは1Gyで0.4から最大1.2程度
・低線量率の名目リスク係数(10-2Sv-1)
(R5.25, R1.27)
代表的集団における性と被ばく時年齢別生涯リスク推定値の平均化によって求められる
がん | 遺伝的影響 | 合計 | |
成人 | 4.1 | 0.1 | 4.2 |
全集団 | 5.5★ | 0.2 | 5.7 |
・遺伝的影響
(R2.26)
原爆被爆者では有意な増加は認められていない
Lモデルの高線量域でのズレを修正するため,
線量線量率効果係数(DDEF)を2としている
・遺伝的影響の発生率推定
1,直接法
2,間接法(倍加線量法)
(R4.13, R3.21.25.26, R2.25,R1.25)
:倍加線量は1Gy
一定量の影響を起こすために必要な線量
遺伝有意線量
胎児の放射線影響
(R5.23, R4.18.19, R3.24, R2.23,R1.21)
胎生期区分(期間) | 影響 | 閾値(Gy) |
着床前期(受精~8日) | 胚死亡 | 0.1 |
器官形成期(9日~8週) | 奇形 | 0.1 |
胎児期(8週~25週) | 精神発達遅滞 早い時期ほど重篤化 |
0.2~0.4 |
胎児期(8週~40週) | 発育遅延 | 0.5~1.0 |
全期間 | 発がん・遺伝的影響 | 成人より高い |
コメント
放射線の影響の図において、白内障が確定的影響と確率的影響の両者に該当していますが、確定的影響のみではないでしょうか。
ご連絡ありがとうございます
ご指摘の通り、不適切な箇所があったため、修正致しました
大きなミスでしたので、非常に助かりました
今後ともよろしくお願い致します