放射線防護の基礎

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防護量の単位と定義

(R3.6, R2.9(生物),R2.10(生物),R2.4.5, R1.5)

名称単位定義
線量当量J・kg-1=Sv=(ある点における吸収線量)×(線質係数)
等価線量J・kg-1=Svある組織・臓器にわたって平均し,線質について加重した吸収線量
=Σ((ある組織・臓器の一点における吸収線量)×(放射線加重係数))
実効線量J・kg-1=Sv=Σ((等価線量)×(組織加重係数))
預託
等価線量
 RI摂取後にある期間に与えられる等価線量の時間積分値
期間が不明な場合,成人は50年,子供は摂取時から70年とする
預託
実効線量
 等価線量率の代わりに実効線量率をとったもの
摂取した放射能×実効線量係数

*実効線量係数は年齢別に設定されており,年齢に反比例し減少する

実用量の単位と定義

(R1.5)

名称単位定義
周辺線量当量Svある一点に全方向から来る放射線を整列・拡張した場にICRU球を置いたとき,
整列場方向に半径上の深さdmmにおいて生ずる線量当量
方向性線量当量Sv線量計の角度依存性を表すのに用いられる線量当量
個人線量当量Svスラブファントムを用いて測定する人体上のある点における軟組織の深さdに
おける線量に線質係数(LETより求めた関数)を乗じたもの

*ICRUによる定義

防護量の計画に関する変更点

・等価線量の算定において
「両性具有ファントム」→「男女別標準ファントム」
 実効線量は各組織の等価線量の平均値を用いて計算する

放射線加重係数

(R2.10(生物),R1.28(生物))

 加重係数
放射線の種類1990年勧告2007年勧告
光子11
電子及びミュー粒子11
10keV未満の中性子連続関数
10keV≦中性子≦100keV10連続関数
100keV≦中性子≦2MeV20連続関数
2MeV≦中性子≦20MeV10連続関数
20MeV≦中性子5連続関数
陽子及びπ中間子52
重粒子2020

・2007年に変更されたもの
 陽子:5 → 2
 中性子:階段関数 → 連続関数
 荷電π中間子:2を新たに設定

組織加重係数 

組織名組織加重係数
骨髄」「結腸」「」「」「乳房」「その他 0.12
生殖腺 0.08
膀胱」「」「食道」「甲状腺 0.04
皮膚」「骨表面」「」「唾液腺 0.01

・その他に含まれるもの
:「副腎」「小腸」「腎臓」「筋肉」「膵臓」「脾臓」「胸腺」「ET領域

・2007年勧告から「その他」に追加されたもの
:「子宮」「胆のう」「心臓」「リンパ節」「口内粘膜」「前立腺」「気管

・2007年に変更されたもの
生殖腺:0.2 → 0.08
乳房:0.05 → 0.12

*加重係数は低線量・低線量率において確定的影響のRBEを参考にして定められた

放射線防護の三原則とその順序(上から)

 (R3.6)
行為の正当化 
 「行為」はそれによって生ずる放射線障害を相殺するに十分な便益が必要
十分な便益を伴う診療行為がこれにあたる

防護の最適化
 被ばく線量を潜在被ばくも含め,経済的・社会的要因を考慮した上で,合理的に達成できる限り低く抑える
*この原則はALARAの原則といわれる
被ばく低減の工夫がこれにあたる

個人の線量限度
 被ばくグループとその子孫が,最終的に被る害の全体の尺度をデトリメントという概念で表す
被ばくの管理がこれにあたる

被ばく状況の分類

 (R3.6)
「行為」→「計画被ばく」 
「介入」→「緊急時被ばく」と「現存被ばく

・計画被ばく状況
:report1990では「行為」の対象となる被ばく

・緊急時被ばく状況
:report1990では「介入」の対象となる被ばく
 不測の事態または悪意の行為から生じる予期せぬ被ばく状況

・現存被ばく状況
:report1990では「介入」の対象となる被ばく
 自然放射線による被ばく過去の行為の結果として存在する被ばく状況

・線量限度 
医療被ばくを除いた計画被ばくの個人または公衆を対象とする
 すべての線源からの被ばくを考慮する

・線量拘束値
医療被ばくを除いた計画被ばく最適化の上限値
 ある線源からの被ばくのみを考慮する

・参考レベル
緊急時被ばく+現存被ばくにおける最適化の参考上限値
 ある線源からの被ばくのみを考慮する

被ばく状況タイプ職業被ばく公衆被ばく医療被ばく
計画被ばく線量限度+拘束値線量限度+拘束値診断参考レベル
緊急時被ばく参考レベル参考レベル
現存被ばく参考レベル

 

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