固体・液体の検出器

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無機シンチレータ

種類密度
(g/cm3)
最大波長
(nm)
減衰定数
(ns)
 相対効率
(%)
用途および特徴
NaI(Tl)3.6410230100γ線,潮解性,
高エネルギー分解能
CsI(Tl)4.554068045α線,γ線
CsI(Na)4.542064080α線,γ線,吸湿性
6LiI(Eu)4.1470140035γ線,中性子
BGO7.148030010γ線,高検出効率,
加工が容易
CdWO47.9470110017~20γ線
ZnS(Ag)4.1450200130α線,中性子

 

・BaFX:Eu2+(X:Cl,Br,I):イメージングプレート
(R3.28(化学), R1.25)
:放射線のエネルギーを蓄積し,その後の可視光・赤色光の照射(輝尽励起光)により,波長が短く(400nm)放射線量に比例した光量で発光する蛍光体
 荷電粒子,光子線,中性子線の検出が可能

 

有機シンチレータ

種類密度
(g/cm3)
最大波長
(nm)
減衰定数
(ns)
相対効率
(%)
用途および特徴
アントラセン1.245030100α線,β線,昇華性
スチルベン1.14104.5 ~60α線,β線
プラスチック[BC400] 14202.465 
液体[BC501A]0.84203.278 

 

・液体シンチレーションカウンタ 

(R4.4(実務), R3.22(化学), R2.25(化学))
 低エネルギーβ線の測定に適しており,エネルギーが高いと計数効率が高い
 自己吸収,外部吸収が無視できるが,クエンチングにより計数率が低下する
 クエンチング補正には外部標準法(137Csや133Ba等)がある
 検出効率は3H(18.6keV)に対して60%前後,14C(156keV)に対して90%程度で,これらは波高弁別できる
 同時計数回路を用いる

 

半導体検出器

(R4.31(化学), R3.27)

種類密度
(g/cm3)
バンド
ギャップ
(eV)
ε
(eV)
移動速度
(cm2V-1s-1)
電子/正孔
用途および特徴
Si2.31.13.61350/480γ線,β線
Ge5.30.62.936000/36000γ線
使用時に冷却,
高エネルギー分解能
CdTe6.061.474.431000/80 常温で使用可能
CdZnTe6.01.541.531350/120常温で使用可能

*Si表面衝突型/イオン注入型
α線に対して高いエネルギー分解能

*Si(Li)
γ線(低エネルギー) に対して高いエネルギー分解能,液体窒素で冷却する

・ε値
:電子正孔対を作るのに必要な平均エネルギー
 空気のW値が34eVなので,電離箱に比べ,同密度の場合10倍程度の感度

 

・特性

①エネルギー分解能
:シンチレータ検出器の数倍

②時間分解能
気体を利用した検出器の1000倍程度

③感度
:シンチレータ検出器に比べて低い
 Si半導体検出器は空洞電離箱に対して20000倍程度

④エネルギー依存性
:半導体によってエネルギー応答が違う

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シンチレータ比較

(R3.29.30, R2.29)

シンチレータNaI(Tl)
*1
BGO
(Bi4Ge3O12)
★LaCl3,
LaBr3*2
★LYSO
(Lu2SiO5:Ce) *2
GSO
(Gd2Si5:Ce)
CdTe,CZT
(CdZnTe)
実効原子番号5174 6659≒48
発光量
(相対値)
10015120,1607525*半導体
減衰時間
(ns)
23030026,354060*半導体
エネルギー分解能
(%)
8183.3,21282

 *実効原子番号
:高いほど高エネルギーのγ線に対しても検出効率が良い

*1:潮解性がある
*2:自身に放射線物質を含んでいる

 

・光変換効率
NaI(Tl)>CsI(Na) >CaF2(Eu) >CsI(Tl) >6LiI(Eu) >BGO>有機

 

・減衰時間
プラスチック,液体シンチ
<NaI(Tl)<BGO<CsI(Na)<CaF(Eu)<CsI(Tl)<6LiI(Eu)

 

・エネルギー分解能
NaI(Tl)>BGO , CsI(Tl)

 

・機械的強度
NaI(Tl)<BGO , CsI(Tl)

 

・ピーク発光波長
NaI(Tl) <BGO<CsI(Tl)

 

・密度
プラスチック< NaI(Tl)<CsI(Tl) <BGO

 

化学線量計

(R4.30(化学), R3.29.30(化学), R2.30(化学))
・鉄線量計(フリッケ線量計) 
 酸化反応 [ Fe2+ → Fe3+] を利用する
 空気か酸素を飽和させて使用する
 G値:15.5

 

・セリウム線量計
 還元反応 [ Ce4+ Ce3+ ] を利用する
 G値:2.4

 

*G値
:溶液が100eVのエネルギーを吸収したときの原子の変化数
 イオン濃度と線量率には影響されず,LETには依存する

 

熱量計(カロリーメータ) 

 放射線による温度上昇によって放射能を測定する
・水の比熱:4.2 (J/g・K) 
 1℃=1K-273.15  

 

個人線量計のに関してはこちら↓
「対策ノート:個人被ばくの管理」

個人被ばくの管理
被ばく線量の算定  (R3.3, R1.6)  被ばく線量[μSv] =実効線量率定数[μSv・m2・MBq-1・h-1]×放射能[MBq]×時間[h]÷距離^2[m2] 外部被ばくによる実行線量算定 ・均等被ばくによる実効線量算定  男子は胸部,女子は腹部の1cm線量当量 ・不均等被ばくによる実効線量の算定  HEE =0.08Ha+0.44Hb+0.45Hc+0.03Hm Ha:頭頚部における1cm線量当量 Hb:胸部・上腕部における1cm線量当量 Hc:腹部・大腿部における1cm線量当量 Hm:以上のうち最大となるおそれのある部分における1cm線量当量 個人線量計  (R3.2)  原則として男は胸部,女子は腹部に装着する  プロテクタ使用時のような不均一被ばくが考えられる場合,内側と外側に装着する *外側 :最も多く被ばくすると考えられる部位で,頭頚部用ガラスバッチや指用のリングバッチなどがある *リングバッチ :指に付ける個人線量計で皮膚(70µm線量当量)の被ばくを測定する * 鉛プロテクタ  :多くは鉛製のエプロン型で,  甲状腺防護専用のネックガードや,  鉛入り...

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