印加電圧と収集電荷の関係
(R3.27, R1.28)
①再結合領域
②電離領域 エネルギー測定可能
③比例領域 エネルギー測定可能
④境界領域
⑤GM領域 エネルギー測定不可
⑥連続放電領域 エネルギー測定不可
電離箱
・印加電圧
:電離領域
→高線量かつエネルギーの測定ができる
感度は低い
・校正,補正
(R5.28, R4.28)
1,校正定数
2,大気補正係数kTP
kTP=(273+T)/(273+T0)×P0/P
気圧が大,気温が低で電離が多くなる
3,極性効果
円筒型 < 平行平板型
4,イオン再結合
初期再結合はLETに依存する
一般再結合は線量率,印加電圧,電極間隔,電極サイズ,スペクトルに影響される
(2次)電子平衡の利用とその条件(ブラッググレイの空洞原理)
(R4.2(実務), R2.17.31)
以下の条件で電子平衡が成立し,吸収線量が最大となり,近似的に空気衝突カーマと等しくなる
・空洞の大きさ
:2次電子(δ線)の飛程より小さい
・物質壁の厚さ
:2次電子(δ線)の飛程より大きい
・物質壁の質
:γ線の吸収が小さく,光電効果領域での実効原子番号が空気等価である
アクリル:指頭型電離箱で用いられる
グラファイト:γ線照射線量測定に用いられる
・空気吸収線量Dg[J/kg=Gy]
電子平衡時に,Dg=空気衝突カーマとなる
Dg = (Q×Wair)÷(mair×q) [Gy]
・ある物質の吸収線量Dm
ブラッググレイの空洞原理より求められる
Dm = Dg ×(Sm/Sg)
Sm:物質の質量阻止能
Sg:空気の質量阻止能
比例計数管
(R3.27, R1.1(実務))
β線,α線または,中性子の測定
・印加電圧:比例領域
・分解時間:数μs
・測定原理
:電子雪崩による気体増幅を利用
→エネルギー測定が可能
エネルギー分解能は陽極線の均一性と滑らかさ, ガス純度, 電圧安定性などに影響される
・計数ガス
1,PRガス(アルゴン90%+メタン10%)
:α/β線の測定に利用する
2,BF3または3He
:中性子の測定に利用する
・壁効果(wall effect)
:得られる信号は生じた各イオンの最大エネルギーの和に対応する一本のピークとなるはずが,実際にはスペクトルが観測される効果
イオンの一方が壁に吸収されてエネルギーの一部しか計数管に付与しないことに起因する
GM計数管
(R3.1(実務))
光子またはβ線の測定
・印加電圧:GM領域
・分解時間:100~400μs程度
・回復時間:数ms程度
・測定原理
電子雪崩による一定出力パルス(陽イオン)を測定
→エネルギーの測定は不可能,イオン再結合が起こらない
・壁材質:雲母(マイカ)
→保護のため, アルミキャップがしてある場合があり, 測定時は外す
・消滅法
連続放電を止める方法
1,外部消滅法
:陽イオンが陰極に到達する前に印加電圧を下げる
2,内部消滅法
:気体に有機気体やハロゲン気体(クエンチングガス)を添加する方法
ハロゲン気体の場合,自発的再結合をするため,寿命が長い
3,気体を50~100mHgにする
→クエンチング補正
・真の計数率
(R5.24.4(実務), R3.1(実務))
回復時間
:十分時間が経過し,パルス波高が最大になる時間
分解時間
:電圧が波高弁別レベルを超え,パルスと認識される時間
不感時間
:電離が生じても応答しない時間
真の計数率n
n = m /(1-τ×m)
m:測定した計数率 τ:分解時間[s]
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