化学

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放射性核種

核種まとめ (R4.1.4(実務), R4.12(物理), R4.2.11.31, R3.8(物理), R3.1(実務), R3.10.12.18, R2.28,R1.15.17.27) 核種 壊変 方式 エネルギー(MeV) α・β線 γ線 半減期 その他 3H★ β- 0.02   12年 β線のみ放出/天然RI/ 7Be★ EC   0.5 53日 中性子線源/天然RI 11C β+   0.511 20分 14N(p,α)11C 14C★ β- 0.15   5.7×103年 β線のみ放出/天然RI 13N β+   0.511 10分 16O(p,α)13N 15O β+   0.511 2分 14N(d,n)15O 18F β+   0.511 110分 20Ne(d,α)18F 18O(p,n)18F 30P★ β+   0.511 2.5分 初めて人工的に得られたRI 32P★ β- 1.7   14日 β線のみ放出 35S★ β- 0.17   87.5日 低エネルギーβ線 40K★ β- 1.3   1.2×109年 天然RI/12億年 45Ca★ β- 0.26 ...
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放射性壊変と放射能 / 核分裂

放射性壊変と放射能 (R5.5, R4.1.4.13, R3.14(生物), R3.19, R1.2.3.4) ・放射能A   A = -dN/dt = λ×N ・壊変定数λ  λ = loge2/T = 0.693/T  T:半減期   ・原子数N  (R5.1.3, R4.2(実務), R3.4)  N = w/W×6.02×1023  w:放射性物質の質量  W:対象物質の原子量  w/W:モル数  6.02×1023:アボガドロ定数 ・分岐比  (R2.1,R1.2.7(物理))  λ=λ1+λ2+λ3+……   λ1,λ2,λ3:部分半減期  分岐比 → λ1:λ2=T2:T1 ・平均寿命τ  τ=1/λ=1.44×T ・壊変図 (R4.17) 放射性壊変の方法に関してはこちら↓ 「対策ノート:放射性壊変」 放射線計測で得られる計数  (R1.5(物理)) ・t0からt秒までの壊変数T  T=N×(1-e-λt) = A0/λ×(1-e-λt)  A0,N0:t0の時の放射能,原子数 ・t秒計測したときの検出される確率p  p=ε×(1-e-λt)  ε:検出効率 自発核分裂...
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放射平衡

放射平衡  (R4.5, R3.2, R1.6.7.8) ・過渡平衡 (R5.8, R3.3.4) 成立条件:λ1<λ2,T1>T2 時間経過によって A2>A1,T2→T1となる ・永続平衡  (R5.4(物理), R3.14) 成立条件:λ1<<λ2,T1>>T2 時間経過によって A2=A1,T2→T1となる ・平衡になる核種の例 (R5.7) ・68Ge-68Ga(永続平衡)   (270d-68m)   ・82Sr-82Rb  (25d-1.2m)   ・81Rb-81mKr  (4.6h-13s) ・83Rb-83mKr  (86d-1.8h) ・87Y-87mSr  (80h-2.8h) ・90Sr-90Y(永続平衡)★  (29y-64h)  ・90Mo-99mTc(過渡平衡)  (66h-6h) ・113Sn-113mIn  (115d-1.6h) ・132Te-132I  (77h-2.3h) ・137Cs-137mBa(永続平衡)  (30y-2.5m) ・140Ba-140La(過渡平衡)  (12.8d-1.68d)  ・226Ra-222Rn(永続平衡)  ...
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核反応とRI製造

核反応式 (R5.9.10, R5.1(物理), R4.7.9.10, R3.6, R2.10(物理), R2.8, R1.9.10.11)  A(x,y)B   A:標的原子核 x:入射粒子   y:放出粒子 B:反跳原子核  (A+x)と(B+y)の陽子と中性子の数, エネルギーは等しい Q値 (R5.9(物理), R4.1(実務), R3.14(物理), R2.11.12(物理),R1.10(物理))  核反応前後の質量欠損をエネルギーに換算した値  Q = (MA+Mx)×C2-(MB+My)×C2 ・発熱反応 :Q値>0  閾エネルギーはない ・吸熱反応 :Q値<0  閾エネルギーはある  入射粒子が閾値以上のエネルギーを持っている必要がある ≒入射粒子にエネルギーが必要なので発熱反応より起こりずらい反応  代表的な吸熱反応を以下に示す  32S(n,p)32P  27Al(n,α)24Na ・閾値Emin  Emin= -Q×(MA+Mx)÷MA 標識化合物の分類  (R3.20) ・特定(S)標識化合物  標識位置が明らかな場合(95%以上) ・名目(N)標識化合物  標...
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RIの分離法

共沈法  (R5.22.31, R3.4(実務), R3.26, R2.5,R1.31) ・同位体担体 :必要なRIの安定同位体の担体 ・非同位体担体 :不必要なRIの安定同位体の担体 ・スカベンジャー :不必要なRIを沈殿させるための担体 ・保持担体 :必要なRIを溶液に留めるための担体 ・捕集剤 :必要なRIを沈殿させるための担体 ・溶解度積  共沈法では溶解度積の小さい反応が選ばれる 溶解度積=「溶解した塩の濃度」×「溶解しなかった塩の濃度」 ・共沈法の実例 (R4.4(実務), R3.32, R2.22.32) 溶液中のRI 捕集剤 保持担体 沈殿物 140Laと140Ba Fe3+ Ba2+ 140La 90Yと90Sr Fe3+ Sr2+ 90Y 32Sと32P Fe3+ SO42- 32P *沈殿物は分離後,溶媒抽出することで無担体にできる ・担体の条件  化学的に安定したもので、目的操作を阻害しない  目的物質と同様の挙動を示す必要がある 化学反応の詳細はこちら↓ 「対策ノート:化学反応」 溶媒抽出法 (R5.31, R4.25, R3.32, R2.23)  分離が(...
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放射化分析

放射化分析の利点 「検出感度が良い」 「試薬などの汚染がない」 「核反応なので元素の化学的性質に影響されない」 「多元素同時分析ができる」 「非破壊分析ができる」 放射化分析の欠点 「精度が低い」 「副反応による妨害がある」 「自己遮蔽の影響がある」 「原子炉など中性子発生源が必要」 生成放射能の計算 (R5.32, R4.6, R3.7.31, R2.7.3(実務),R1.31.32) ・試料を時間t照射して,直後に得られる放射能A  A=f×σ×N×(1-e-λt)    =f×σ×N×(1-(1/2)t/T) f:照射粒子束密度(n/cm2・s) σ:放射化断面積 N:試料の原子数   ・原子数N  N=θm/M ×6.02×1023  θ:存在比    m:試料質量    M:試料原子量 また,t<<Tの場合  A = f×σ×N×(0.693×t/T) ・照射終了後,時間d経過後の放射能Ad  Ad=A×e-λd    =A×(1/2)d/T 放射化分析 (R5.26) ・放射線計測  「Ge(Li)」または「Ge」半導体検出器つき多重波高分析器を使用する →γ線に対するエネ...
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RIの化学分析への利用

年代測定 (R5.18, R4.16, R2.18.27) ・炭素14法 :14C →14N,14C/12Cの割合を測定する  生物(死骸)に適用 ・カリウム-アルゴン法 :40K→40Arの量を測定する  鉱物に適用 ・アルゴン-アルゴン法 :40Arと中性子照射してできた39Arの比を求める  鉱物に適用 ・ウラン-鉛法 :238U→206Pbと235U→207Pbの比を測定する  鉱物に適用 ・フィッショントラック法 :238Uの自発核分裂による飛程の密度とウラン量から求める  鉱物に適用 オートラジオグラフィ  (R3.32, R1.25(物理))  イメージングプレート等を用いてRIの分布を可視化する  基本的な性能としてIP法>写真(フィルム)法  ミクロオートラジオグラフィでは低エネルギーγ線が適する 直接希釈法  (R5.25, R3.24, R2.26,R1.25)  目的物質が非放射性で,加える同位体が放射性である分析法     重量 比放射能 全放射能 添加前 目的の試料  X  0   トレーサ(RI) a  S0=A/a A 添加後 混合物 X+a S=A/w...
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化学反応

化学:(R5.20, R4.12.19.21, R3.15.16, R2.21.24,R1. 5.18.20.21)   実務:(R4.4, R2.4,R1.4) 沈殿発生系 ・硫酸塩沈殿X SO4 ↓ X:「Ca2+」「Sr2+」「Ba2+」「Pb2+」「2Ag+」 ・リン酸塩沈殿 ( X ) + HPO42- → X HPO4 ↓ 3( X ) + 2OH- + 2HPO42- → X3 (PO4)2 ↓ + 2 H2O X:「Ca2+」「Sr2+」「Ba2+」 ( X ) +PO43- → X PO4↓ X:「Fe3+」「3Ag+」「Al3+」 ・硫化物沈殿しないもの X S↓ 「Mg2+」「Ca2+」「Sr2+」「Ba2+」「Na2+」「K2+」「Cs2+」 ・塩化物沈殿 X Cl↓ X:「Hg+」「1/2Pb2+」「Ag+」 ・クロム酸塩沈殿 X CrO4↓ X:「Ba2+」「Pb2+」「2Ag+」 ・炭酸塩沈殿X CO3↓ X:「Ba2+」「Sr2+」「2Ag+」「Ca2+」 気体発生系 FeS+2HCl → FeCl2+H2S↑ NaHCO3+HCl → NaCl+H2O...
令和5年度 国家試験

令和5年度 化学 第1種放射線取扱主任者試験 解説と模擬問題

総評  全30問中、無理問題3問、難問5問  明らかな無理問題も数問あり、難問も多めで今年の全科目の中で一番難しかったと思われる  そのため、今年度の化学は7割切らなければ良いだろうくらいが目安か 模擬問題 解説  対策ノートで対応できていた問題に関しては特に記載しませんので、下記のページを参照して下さい  ここからは当サイトが独断と偏見で、難問または無理問題として認定した問題について解説します 問4 無理問題  塩素に関する問題  後述の水素や炭素ならまだしも、塩素に関してここまで詳しくやるのは無理か  続くようなら対策するが、今のところ対策ノート未対応  項目のみ追加 問15.16 難問  トリチウムと炭素に関する問題  こちらは塩素と違って頻出だが、内容が少々難しいか  対策ノート対応済み 問18 難問  放射線を利用した化学分析に関する問題  年代測定は頻出だが、もう一つの正答がアクチバブルトレーサで、少し難しいので難問認定 問19 無理問題  炭素化合物の揮発性に関する問題  これは一々覚えてらんないので無理   対策もしません 問23 難問  塩化カルシウムとソーダ石灰に反...
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