令和5年度 物理学 第1種放射線取扱主任者試験 解説と模擬問題

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総評

 単発の選択問題全30問中、無理問題3問、難問3問
 文章問題も7割は解けるとしても全体の正答率の目安は7割程度あれば良いかと
 あきらかな無理問題がいくつかあるので、パッと見たらそこに時間をかけずになるべく文章題にしっかりと時間を割きたい
 文章題も問32-Ⅱ以外は割と簡単

 

模擬問題

/13

令和5年度 物理学

国家試験問題そのものではなく、模擬問題です
令和5年度の過去問を参考に、解けなくてはならない問題のみが出題されます
不適切問題がありましたら、ご連絡いただけるとありがたいですです

1 / 13

チェレンコフ効果に関する次の記述のうち、正しいものはどれか

2 / 13

電子を加速するのに適していない加速器はどれか

3 / 13

次の核反応のうち、吸熱反応であるものはどれか

4 / 13

1 MeV 光子の物質中での減弱に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

5 / 13

次のうち、β-壊変だけをする核種として、正しいものはどれか

6 / 13

放射性壊変に関する次の記述のうち、正しいものはどれか

7 / 13

ヘリウム-3 と熱中性子との発熱反応における反応前後に関する次の記述のうち、正しいものはどれか

8 / 13

鉛に入射する20 MeV 電子のエネルギー損失に関する次の記述のうち、正しいものはどれか

9 / 13

トリチウムの放射能の測定に適している検出器として、正しいものはどれか

10 / 13

オージェ電子に関する次の記述のうち、正しいものはどれか

11 / 13

吸収線量に関する次の記述のうち、正しいものはどれか

12 / 13

光電効果に関する記述のうち、正しいものはどれか

13 / 13

電離箱における電子・イオン対の再結合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

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解説

 対策ノートで対応できていた問題に関しては特に記載しませんので、下記のページを参照して下さい

物理学 トップページ
・基本知識 ・放射線物理学 ・放射性壊変 ・原子と原子核の構造 ・加速器 ・荷電粒子と物質の相互作用 ・X線の発生 ・光子と物質の相互作用 ・中性子と物質の相互作用 ・気体の検出器 ・固体・液体の検出器  放射線と物理、に加えて測定系も多く出題される範囲  出題範囲が物理と被りやすいので、対策ノートではどちらかに記載してあるはず  記事検索を使っていただけると探しやすい  出題方式としては選択問題30問30点、文章問題大門2問30点の計60点  物理に関しては出題範囲が多いことが特徴  他の科目に比較して1.5倍くらいあるので、内容こそ難しくない場合が多いが、とにかく覚えることが多い  対策ノート的にも、物理の中に測定系のノートを加えているからでもあるが、ボリュームがあるので早めに手を付けておきたい範囲ではある

 ここからは当サイトが独断と偏見で、難問または無理問題として認定した問題について解説します

問2 無理問題

 パッと見で分かる無理問題なのでむしろありがたい
 こういったのをいちいち対策しているとキリがないので余裕が有り余っている人以外は早々に切り捨てていきたい
 光子の反応は下記にあるものを覚えるだけで充分

X線の発生
特性X線の発生 特性X線の発生に関してはこちら↓ 「対策ノート:放射性壊変」 制動X線の発生  (R2.14) ・単位時間の発生強度I=K×I×Z×V2 ・制動放射線の発生効率η=K×Z×V[%] *診断領域ではηは1%未満である  K:定数(1.1×10-9)   I:管電流   Z:ターゲットの原子番号   V:管電圧 管電圧と制動放射線の最大エネルギーの関係 ・デュエンハントの法則   加速電子のエネルギーE=e×V    V:X線管電圧[kV]  また,eV = hν = hC / λ 制動X線の強度分布(角度)  ・ゾンマーフェルトの理論式I(θ)  I(θ)=A-sin2θ/(1-βcosθ)6  θ:ターゲットへ入射した電子の進行方向を0°とした角度  入射電子のエネルギーが増加した場合(10MeV以上)  βが1に近づく →θ=0°(前方)の強度が増加  入射電子のエネルギーが減少した場合(30~150keV程度)  βが0に近づく →θ=90°(側方)の強度が増加 X線の線質・線量  (R3.32) ・線量 :管電流,管電圧に影響され,X線の量を表す ・線質 :X線の...

 

問8 難問

 中性子の反応に関する問題
 正答になるのが「特定のエネルギーの中性子の平均衝突回数」と「D-D反応」だがこれは少し難しい
 D-D反応に関しては対策ノート未対応
 平均衝突回数に関しては弾性散乱の式で計算すれば求められるが、おそらくそんな時間はないので、こちらもあきらめてしまったほうが良いだろう

中性子と物質の相互作用
中性子 (R4.3.4, R3.6.22, R2.6.23)  電荷をもたない間接電離放射線 →主に原子核と相互作用を起こす ・核スピン量子数:1/2 ・β-壊変をする(半減期10分) ・エネルギーによる分類 エネルギー 名前 主な反応 ~0.025eV 熱中性子 中性子捕獲反応 0.1eV~1keV 熱外中性子   0.1MeV 速中性子 散乱 中性子と物質の相互作用 ・散乱反応 1,弾性散乱 (R3.12.23.31, R2.24,R1.22)  反応の前後で運動量が保存される反応  反跳エネルギーE En:中性子のエネルギー M:原子核の質量  m:中性子の質量 *原子の質量が小さい →反跳エネルギーが大きい →水素で最も減速させられる(ビリヤードの法則) 2,非弾性散乱  運動エネルギーの一部が反応原子核の励起に使われる反応 ・吸収反応 (R2.10) 1,放射捕獲反応   原子核が励起され,γ線を放出する  中性子は電荷を持たないため,クーロン作用を受けず,他の反応に比べて,低エネルギーで核に入れる *中性子の結合エネルギー:約8MeV →捕獲反応は発熱反応 *中性子捕獲反応...

 

問10 無理問題

 分野としては実務に近く、そちらのノートで対応しようかと思ったが、そもそも難しすぎるし範囲が多いので無理問題とする
 選択肢としても明らかに間違いのものがあれば、正答できるかもしれないがすべて正しいパターンになってるので解けなくていい問題で良いかと
 

問22 無理問題

 光電子増倍管に関する問題
 問われてもしかたない範囲ではあるが内容が詳しすぎて無理
 光電子増倍管をしっかり対策しようとするとこちらも結構な量になってしまうので、今のところ対策ノート未対応
 今後出題が続くようであれば、対策検討

 

問23 難問

 いろいろな線量計に関する問題
 熱蛍光線量計は頻出だが、それ以外は微妙
 バブル線量計を直であてに良くは厳しいのでアルベド線量計との2択になるか、というところなので難問認定

個人被ばくの管理
被ばく線量の算定  (R3.3, R1.6)  被ばく線量[μSv] =実効線量率定数[μSv・m2・MBq-1・h-1]×放射能[MBq]×時間[h]÷距離^2[m2] 外部被ばくによる実行線量算定 ・均等被ばくによる実効線量算定  男子は胸部,女子は腹部の1cm線量当量 ・不均等被ばくによる実効線量の算定  HEE =0.08Ha+0.44Hb+0.45Hc+0.03Hm Ha:頭頚部における1cm線量当量 Hb:胸部・上腕部における1cm線量当量 Hc:腹部・大腿部における1cm線量当量 Hm:以上のうち最大となるおそれのある部分における1cm線量当量 個人線量計  (R3.2)  原則として男は胸部,女子は腹部に装着する  プロテクタ使用時のような不均一被ばくが考えられる場合,内側と外側に装着する *外側 :最も多く被ばくすると考えられる部位で,頭頚部用ガラスバッチや指用のリングバッチなどがある *リングバッチ :指に付ける個人線量計で皮膚(70µm線量当量)の被ばくを測定する * 鉛プロテクタ  :多くは鉛製のエプロン型で,  甲状腺防護専用のネックガードや,  鉛入りグラス...

 

問26 難問

 FWHMに関する問題
 ノートの範囲としては実務にある
 ファノ因子はちょくちょく出てくるので対策ノートは対応済みであったが、少し難しいかと思い難問認定

計数値の統計
計数の統計処理  (R2.2) ・統計的変動(矢印に従い簡略化される)  二項分布 → ポアソン分布 → ガウス分布(正規分布) ・二項分布 ・ポアソン分布 ・ガウス分布(正規分布)  n:計数値  σ:標準偏差  m:平均値  σ:分散 不確かさ  ・Aタイプ評価 :様々な不確かさの成分を,観測値の統計解析つまり標準偏差によって評価すること ・Bタイプ評価 :測定実験データ以外の様々な情報による,標準偏差に相当する大きさの推定 ・標準不確かさ :標準偏差を用いた評価 ・合成標準不確かさ :標準不確かさの二乗の重みつき平均の平方根  感度係数を用いる ・拡張不確かさ :「合成測定標準不確かさ」と「1より大きい定数」との積  包含係数=2(95%)を良く用いる 標準偏差 (R5.2, R4.30(物理), R3.26(物理)) ・計数の標準偏差(σ)  標準偏差σ=√N  N:生の計数(カウント)  N0±σ=68%  N0±2σ=95%  N0±3σ=99.7% ・計数率nとその標準偏差σn  n±σn = N/t ± √N/t  計数率n = N÷t  計数率の標準偏差σn=√N÷t...

 

問31 Ⅱ

 前半のⅠにある核反応に関する問題は型通りなので特に問題なく解けるだろう
 後半の中性子のエネルギー測定は多少計算式が込み合ってくるので、解けなくはないが、少々難しいか
 対策ノートでも十分に対応可能

 

問32 Ⅰ

 選択肢GとHは少々計算が込み合って難しいがそれ以外は何でもない
 GとH自体も式自体はあるので、時間があればちまちまやって解けると思う

 

問32 Ⅱ

 最初から最後まで結構難しい
 グラフから読み取り、必要な式を当てはめて、三角関数の数値も与えられて使わなきゃならんハードルは高い
 やってること自体は対策ノートで対応可能だが、時間に余裕があれば、というところか

コメント

対策ノートの使い方

オレンジ色の場所を覚える
 オレンジの文字暗記用赤シート消えます

 赤シートは上記の商品ような下敷きタイプの大きいものがお勧め

・★マーク:特に重要な箇所

・出題年数の見方
 例:物理学の対策ノートで(R3.19, R3.14(生物), R2.15, R1.2.3.4)
 R3.19 → 物理学の令和3年の19問目
 R3.14(生物) → 物理学ではなく、生物学の令和3年の14問目
 R2.15 → 物理学の令和2年の15問目
 R1.2.3 → 物理学の令和1年の2問目と3問目


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