RIの分離法

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共沈法

 (R5.22.31, R3.4(実務), R3.26, R2.5,R1.31)
・同位体担体
必要なRIの安定同位体の担体

・非同位体担体
不必要なRIの安定同位体の担体

・スカベンジャー
不必要なRIを沈殿させるための担体

・保持担体
必要なRIを溶液に留めるための担体

・捕集剤
必要なRIを沈殿させるための担体

・溶解度積
 共沈法では溶解度積の小さい反応が選ばれる
溶解度積=「溶解した塩の濃度」×「溶解しなかった塩の濃度」

・共沈法の実例
(R4.4(実務), R3.32, R2.22.32)

溶液中のRI 捕集剤 保持担体 沈殿物
140Laと140Ba Fe3+ Ba2+ 140La
90Yと90Sr Fe3+ Sr2+ 90Y
32Sと32P Fe3+ SO42- 32P

*沈殿物は分離後,溶媒抽出することで無担体にできる

・担体の条件
 化学的に安定したもので、目的操作を阻害しない
 目的物質と同様の挙動を示す必要がある

 

化学反応の詳細はこちら↓

「対策ノート:化学反応」

化学反応
化学:(R5.20, R4.12.19.21, R3.15.16, R2.21.24,R1. 5.18.20.21)   実務:(R4.4, R2.4,R1.4) 沈殿発生系 ・硫酸塩沈殿X SO4 ↓ X:「Ca2+」「Sr2+」「Ba2+」「Pb2+」「2Ag+」 ・リン酸塩沈殿 ( X ) + HPO42- → X HPO4 ↓ 3( X ) + 2OH- + 2HPO42- → X3 (PO4)2 ↓ + 2 H2O X:「Ca2+」「Sr2+」「Ba2+」 ( X ) +PO43- → X PO4↓ X:「Fe3+」「3Ag+」「Al3+」 ・硫化物沈殿しないもの X S↓ 「Mg2+」「Ca2+」「Sr2+」「Ba2+」「Na2+」「K2+」「Cs2+」 ・塩化物沈殿 X Cl↓ X:「Hg+」「1/2Pb2+」「Ag+」 ・クロム酸塩沈殿 X CrO4↓ X:「Ba2+」「Pb2+」「2Ag+」 ・炭酸塩沈殿X CO3↓ X:「Ba2+」「Sr2+」「2Ag+」「Ca2+」 気体発生系 FeS+2HCl → FeCl2+H2S↑ NaHCO3+HCl → NaCl+H2O...

 

溶媒抽出法

(R5.31, R4.25, R3.32, R2.23)
 分離が(イオン交換等より)早い
 トレーサ量からマクロ量まで対応が可能

・分配比
 水相を基準として有機相に何倍多く抽出されるかを表す
 分配比D=Co/Cw
 Co:有機相のRI濃度
 Cw:水相のRI濃度

・抽出率
 RIがどれほど有機相に抽出されたかを表す
 抽出率E=D/(D+Vw/Vo)
 Vw:水相の容量   
 Vo:有機相の容量

*分離の速さ
:溶媒抽出法イオン交換分離法

 

電気化学的分離法 

 酸化還元反応,イオン化傾向などを利用する方法

*酸化還元の定義

  酸素 水素 電子
酸化 得る 失う 失う
還元 失う 得る 得る

 

電気泳動法 

 電荷を持った高分子の分離に使用される
 緩衝液に浸かったろ紙やゲルに試料を乗せ,両端に電場を与え,電荷の違いにより,移動速度が異なることを利用する
 Rf値により分子量を求める

 

イオン交換樹脂による分離法

(R5.31, R4.22.24, R1.22.23)
・分配係数
 分配係数
交換樹脂中の濃度÷溶液の濃度

・特徴
分離係数が高い
価数の多い方がより結合する
イオン半径が小さいものほど結合しやすい
分離に時間がかかる

・陽イオン交換樹脂 (R2.32)
 スルホン酸基(強酸性)カルボン酸基(弱酸性)がある
 陽イオンが吸着する
 核分裂生成物の分離に用いる

・イオン化傾向(R2.20)
 大きいほどイオンの状態になりやすい
→溶液中に存在しやすい
大きい順に
大→「Li」「K」「Ca」「Na」「Mg」「Al」「Zn」「Fe」「Ni」「Sn」「Pb
「(H2)」
Cu」「Hg」「Ag」「Pt」「Au」→小

・陰イオン交換樹脂
 陰イオンが吸着する

・クロロ錯体 (R3.17)
:陽イオンの金属イオンがなる陰イオン性の錯体
生成のしやすさ:Zn2+ > Fe3+ > Cu2+ > Co2+ > Mn2+ > Ni2+
→生成しやすいほど薄い塩酸でクロロ錯体になる
 陰イオン交換樹脂に吸着する

 

ラジオコロイド(吸着法) 

 (R5.21)
 直径10-5~10-7cm程度の粒子で,イオンなどとは異なる挙動を示す
 中性~アルカリ性で生成される

 

昇華・蒸留法 

 気化しやすい元素・化合物の揮発性昇華性をもとに分離・生成を行う

 

同位体効果 

 同位体の僅かな質量差によって原子の化学的,物理的な性質が変化すること
 原子番号の小さな元素において(6Cまで)みられる

 

放射性セシウムの分離

沈殿分離法(リンモリブデン酸塩,水酸化物)
・錯体への吸着(ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸)

 

放射性ストロンチウムの分離

 (R1.19)
イオン交換法:陽イオン交換樹脂
発煙硝酸法:ストロンチウムを沈殿させる
シュウ酸塩
溶媒抽出

 

分離後の純度について

(R5.6, R4.23.26.27, R3.1)
・収率
 目的の物質を得るためのプロセスにおいて,理論上得ることが可能な最大量に対する実際に得られた量の比率

・比放射能(Bq/kg)
 比放射能
=「放射能(Bq)」÷「放射性物質の重量(kg)

・放射化学的純度(標識率)
 放射化学的純度
=「目的標識化合物の放射能」÷「全体の放射能」×100[%]

・放射性核種純度
 放射性核種純度
=「目的RIの放射能」÷「全体の放射能」×100[%]
*γ線スペクトロメトリ等で測定

・純度検定
 化学的純度+放射化学的純度

 

放射化学的純度の検定方法

・ろ紙クロマトグラフィ
固定相:ろ紙(繊維上に保持された水分) 
移動相:展開液

・薄層クロマトグラフィ
固定相:シリカゲルやアルミナなどの吸着材をガラスやアルミ板の表面に薄く塗ったもの
移動相:展開液

・ガスクロマトグラフィ
固定相:シリカゲルやモレキュラーシーブなどの吸着剤や,粘性の高い液体をコーティングしたものを詰めたカラム
移動相:キャリアガス

・イオン交換クロマトグラフィ
固定相:交換基のついた有機高分子樹脂を詰めたカラム
移動相:展開液

・電気泳動法
固定相:ろ紙やゲル(寒天,アクリルアミド)
移動相:なし

・高速液体クロマトグラフィ(HPLC)
固定相:用途によってさまざまな物質を詰めたカラム
移動相:展開液

・(逆)希釈分析法

コメント

  1. ゆな より:

    共沈法の実例に32Sとありますが、35Sではないでしょうか。

    • 管理人 より:

      定かではないのですが、こちらに記載してあるのはおそらく、32-Sに中性子照射をして32-Pを生成したのちの分離を念頭に置いたものだったかと思います
      よって32-Sという記載で問題はないかと考えておりますが、他に何か理由があればご教授頂けると幸いです

      • ゆな より:

        おっしゃる通りです。塩化アンモニウムに中性子照射した際の、32Pと35Sの分離のことだと思い込んでいました。知識不足のため、誤った指摘をしてしまいました。申し訳ありません。

        • 管理人 より:

          ご回答ありがとうございます
          全然問題ありません
          今後も何か気になることがあれば、よろしくお願いいたします

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 R3.19 → 物理学の令和3年の19問目
 R3.14(生物) → 物理学ではなく、生物学の令和3年の14問目
 R2.15 → 物理学の令和2年の15問目
 R1.2.3 → 物理学の令和1年の2問目と3問目


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