2021-10

その他重要知識

放射線取扱主任者試験について

放射線取扱主任者とは 資格概要  放射性同位元素等の規制に関する法律(以下、RI等規制法)に基づく国家資格の一つ  RI等規制法に基づき、これらの監督を行うために放射線取扱主任者(以下、主任者)を事業所ごとに選任し、原子力規制委員会に届け出なければならない  すなわち、主任者はRI等を取り扱う各個人に要求される資格ではなく、施設ごとで放射線安全管理の統括を行い、法令上の責務を担う者が所持する必要がある資格 資格の種類 ・第1種放射線取扱主任者  行える業務範囲が最も広く、試験の難易度も最も高い  当サイトの対策ノートはこの第1種放射線取扱主任者を対策範囲としている ・第2種放射線取扱主任者 ・第3種放射線取扱主任者  第1種に比べ、それぞれ業務範囲が限られており、それに伴い試験難易度も低い  それぞれの業務範囲に関しては、下記の対策ノートを参照してください →「対策ノート:放射線取扱主任者」 放射線取扱主任者の資格取得について  第1種及び第2種の資格取得については以下のような手順 ①放射線取扱主任者試験に合格 ②資格講習を受講する *第3種...
生物学

分子レベルの影響

反応過程の時間的スケール  ・物理的過程 (10-19~10-13秒)   照射~電離・励起~ ・化学的過程 (10-12~10-4秒)    ~ラジカル生成・反応~ ・生化学的過程 (10-3~10-1秒)    ~DNAの損傷~ ・生物学的過程 (100~秒)   ~DNAの修復~ DNA損傷の種類 ・直接作用 :DNAの構成原子が放射線に電離・励起され,直接DNA損傷を引き起こす作用 ・間接作用 (R2.15,R1.28(化学).29(化学)) :水分子が放射線に電離・励起され,フリーラジカルが形成され,これによる生体分子からの水素引き抜き反応によって,DNA損傷が引き起こされる作用 *水分子の励起 :H2O → ・OH + ・H   *水分子の電離 :H2O → ・H2O + 電子e-  ・H2Oによって・OHまたは・Hが生成される  電子e-によって水和電子eaq-が生成され,eaq-によって・Hが生成される *フリーラジカル :不対電子をもつ原子や分子、イオンのこと  活性酸素種で以下のものがある  ・OH(ヒド...
生物学

細胞レベルの影響

ベルゴリー・トリボンドーの法則 (R3.4, R2.32,R1.32) ・放射性感受性が高い細胞の特徴  分裂活発な(細胞周期の短い)細胞  将来長期にわたり細胞分裂を継続する細胞  未分化な細胞 *高感受性の細胞はアポトーシスを起こしやすい 細胞周期による感受性の変化  (R2.32) ・M期 :分裂期  クロマチンが凝縮して染色体が形成され,染色体の観察が可能となる時期 ・G期:間期 ・S期:合成期 *最高感度はM期の最初 *1細胞当たりのDNA量はG2期にかけて増え,M期で半分になる ・分裂遅延 :分裂を行っている細胞群に対して放射線が当たると最も早期に起こる  照射線量に比例して,G2期が長くなり,10Gyまでは1Gy当たり1時間遅れる ・G0期 :非常に長いG1期初期とも考えられ,正常細胞にも腫瘍細胞にもある ・細胞周期チェックポイント *毛細血管拡張性運動失調 (R2.27) :常染色体性劣性遺伝疾患(ATM遺伝子)で,細胞周期チェックポイントがない  放射線照射に対して高確率でがんになる  正常なATMは,DNA損...
生物学

DNA・染色体レベルの影響

DNA  (R3.31, R2.31) ・デオキシリボ核酸(DNA)の構造   DNA=ポリヌクレオチド(ヌクレオチド)    =(塩基+糖(デオキシリボース)+リン酸)×2本  塩基:A –(2本の水素結合)- T,G –(3本の水素結合)-C  A(アデニン),G(グアニン)はプリン塩基  T(チミン),C(シトシン)はピリミジン塩基 ・DNA複製材料 :dATP,dTTP,dGTP,dCTP ・DNAの損傷(R2.16,R1.14)  起きやすい順番≒細胞死への影響が少ない :塩基損傷>塩基遊離>1本鎖切断>2本鎖切断  その他に架橋形成がある  塩基損傷はOH*によって起こりやすい  塩基遊離はプリン塩基に起こりやすい *放射線特有の損傷というものはない *ピリミジンダイマ :隣接する塩基の共有結合(紫外線による),T – Tに起こりやすい DNAの修復  (R2.31,R1.15) ・DNAの損傷  1Gy(γ線)照射で1本鎖切断は約1000個,2本鎖切断は約40個 ・一本鎖の損傷 :大部分が数分以内に修復...
生物学

臓器・組織レベルの影響

(R3.8.10.11) 組織・臓器名 閾線量 (Gy) 耐容線量  TD5/5(Gy) リンパ球 0.25   ★一時不妊(男) 0.15   ★永久不妊(男) 3.5~6 5~15 一時不妊(女) 0.65~1.5   永久不妊(女) 2.5~6  2~3 腎(腎硬化)   23 肝(肝障害・腹水)   25 小腸(潰瘍・狭窄) 10以上 45 皮膚(脱毛) 3   皮膚(紅斑・色素沈着) 3~6   皮膚(潰瘍形成) 10~   白内障(一回照射) 5   白内障(慢性被曝) 8 10 肺(肺炎・肺線維症) 6~8 17.5(全肺)~45(1/3肺), 骨 成長阻止(幼児)   10(幼児)  壊死・骨折(成人)   60(成人) ★骨髄 造血機能低下 0.5     急性反応 (2~3週間...
生物学

個体レベルの影響

放射線の影響 (R3.9.32) 影響 閾値 線量依存性 防護 目標 例 発生率 重篤度 確定的影響 有 有 有 防止 下記以外 確率的影響 無 有 無 防護 発がんと遺伝的影響 (遺伝子突然変異・染色体異常) 確定的影響   発生率は線量に依存し,重症度は線量に依存し,閾値は存在する 確率的影響  ・リスク  :白血病は絶対リスク予測モデル(線量に比例)  他の固形がんは相対リスク予測モデル ・絶対リスク :単位線量当たりの発生数 →相加予測モデル  年齢にかかわらず影響は一定 ・相対リスク :被ばく集団発生率÷コントロール集団発生率 →相乗予測モデル  高齢で高リスク ・過剰リスク :放射線被ばくに関連したある健康影響の発生率がどれだけ過剰にあるかを示す  過剰相対リスクが0.5なら相対リスクは1.5となる ・過剰相対リスク (原爆被爆者の疫学調査) (R3.7, R2.6,R1.7)  高い順に :白血病>腎盂尿管>乳房&gt...
生物学

被曝

被曝の統計 (R3.13,R2.8,R1.9.11) 被ばく源 世界平均(mSv) 日本平均(mSv) 宇宙線の合計 0.39 0.3 直接電離・光子 0.28   中性子 0.1   宇宙線生成核種 0.01   外部大地放射線の合計 0.48 0.33 屋外 0.07   屋内 0.41   外部被ばくの合計 0.87 0.6       吸入摂取 1.26   ★ラドン及びトロン(222Rn,220Rn) 1.25 0.46 U及びTh系列 0.006   喫煙(210Pb,210Po)   0.01 その他(U)   0.006 経口摂取 0.29   ★40K 0.17 0.18 U及びTh系列 0.12   210Pb,210Po   0.8 14C   0.01 内部被ばく合計 ...
生物学

生物領域における放射線の利用

放射線治療領域  (R3.29.30, R2.30,R1.30) ・X線 :深部の腫瘍に対して十分な線量を照射できる ・電子線 :表面付近の腫瘍または術中照射に適す ・陽子線,重粒子線 :ブラッグピークの形成により電子線やX線に比べて線量分布が優れている ・ホウ素中性子補足療法(BNCT) :あらかじめホウ素化合物を投与し外部から熱中性子(原子炉)を照射する  10B(n,α)7Liの反応を利用し,α線は飛程が短い(数十µm程度, 細胞数個分), ため正常組織の損傷が小さい ・密封小線源治療 核種 半減期 装置期間 使用法 平均エネルギー (MeV) 192Ir 74.0日 一時 組織内,表面,腔内 0.38 137Cs 30.1年 一時 組織内,表面,腔内 0.66 60Co 5.27年 一時  腔内 1.25 198Au 2.69日 永久  組織内 0.41 125I 59.4日 永久  組織内 0.027 核医学領域 (R2...
化学

放射性核種

核種まとめ (R3.8(物理), R3.1(実務), R3.10.12.18, R2.28,R1.15.17.27) 核種 壊変 方式 エネルギー(MeV) α・β線 γ線 半減期 その他 3H★ β- 0.02   12年 β線のみ放出/天然RI/ 7Be★ EC   0.5 53日 中性子線源/天然RI 11C β+   0.511 20分 14N(p,α)11C 14C★ β- 0.15   5.7×103年 β線のみ放出/天然RI 13N β+   0.511 10分 16O(p,α)13N 15O β+   0.511 2分 14N(d,n)15O 18F β+   0.511 110分 20Ne(d,α)18F 18O(p,n)18F 30P★ β+   0.511 2.5分 初めて人工的に得られたRI 32P★ β- 1.7   14日 β線のみ放出 35S...
化学

放射性壊変と放射能 / 核分裂

放射性壊変と放射能  (R3.14(生物), R3.19, R1.2.3.4) ・放射能A   A = -dN/dt = λ×N ・壊変定数λ  λ = 0.693/T  T:半減期   ・原子数N (R3.4)  N = w/W×6.02×1023  w:放射性物質の質量  W:対象物質の原子量  w/W:モル数  6.02×1023:アボガドロ定数 ・分岐比  (R2.1,R1.2.7(物理))  λ=λ1+λ2+λ3+……   λ1,λ2,λ3:部分半減期  分岐比 → λ1:λ2=T2:T1 ・平均寿命τ  τ=1/λ=1.44×T ・壊変図 放射線計測で得られる計数  (R1.5(物理)) ・t0からt秒までの壊変数T  T=N×(1-e-λt) = A0/λ×(1-e-λt)  A0,N0:t0の時の放射能,原子数 ・t秒計測したときの検出される確率p  p=ε×(1-e-λt)  ε:検出効率 自発核分裂  (R1.11)  α壊変と同様に,トンネル効果によっておこる 代表核種:「235U」「238U...
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