(R3.6, R2.7)
α壊変
(R4.20, R2.8.12,R1.6.31)
(A,Z) → (A-4,Z-2) + α
・親核種からα粒子が飛び出す
・壊変条件
:Q>0
Q値={M親-(m娘+α)}×C2
M親:親核種の質量
m娘:娘核種の質量
C:光速
・エネルギー保存則
(R3.31)
Q=1/2×mαvα2 + 1/2×m娘v娘2
・運動量保存則
(R4.12, R3.31)
m娘v娘=mαvα
・α粒子のエネルギーEα
Eα=1/2×mαvα2
Eα=m娘 / (m娘+mα)×Q
→α線は線スペクトルのエネルギーをもつ
→Eαはトンネル効果(量子力学的説明)によってクーロン障壁を超える
・生成核の反跳エネルギーEb (R3.13)
Eb=mα/ (m娘+mα)×Q
=(mα/ m娘)×Eα
・ガイガー・ヌッタルの法則
放出されるα粒子のエネルギーと崩壊定数の経験的関係を示す式
短い半減期の核種からのα線エネルギー>長い半減期の核種からのα線エネルギー
β-壊変
(R2.32)
(A,Z) → (A,Z+1) + β-
・弱い相互作用によっておこる
中性子が「陽子」「β-」「反ニュートリノ」になる
・壊変条件
:Q>0,M親>m娘
Q値={M親-(m娘+me)}×C2
・β-線の最大エネルギーEβ-max
Eβ-max:(M親-m娘)×C2
→β-,反ニュートリノの角度・エネルギーは連続スペクトル
β+壊変
(R2.32)
(A,Z) → (A,Z-1) + β+
・弱い相互作用によっておこる
陽子が「中性子」「β+」「ニュートリノ」になる
・壊変条件
:Q>0,M親-m娘-2me>0
Q値={M親-(m娘+2me)}×C2
・β+線の最大エネルギーEβ+max
Eβ+max:(M親-m娘-2me)×C2
→β+,ニュートリノの角度・エネルギーは連続スペクトル
*β-とは異なるスペクトル分布を示すので注意
軌道電子捕獲 EC壊変
(R4.8, R2.32,R1.12)
(A,Z) → (A,Z-1)
・β+壊変と競合して起こる
陽子が「軌道電子」を捕獲して「中性子」「ニュートリノ」になる
・結果として,電子の軌道に空席が生じる
→「特性X線放出」または「オージェ電子放出」が起こる
核異性体転移 (IT)
(A,Z)m → (A,Z) + γ線
内部転換
(R4.7, R3.9, R2.32)
・γ線を放出する代わりに軌道電子を放出する現象
γ線放出との競合反応
・内部転換電子のエネルギーEe
Ee=Eγ-E束
Eγ:γ線エネルギー
E束:軌道電子束縛エネルギー
→内部転換電子のエネルギーは一定のエネルギー,線スペクトル
L殻内部転換電子のエネルギー>K殻内部転換電子のエネルギー
→K殻の方が内部転換電子になりやすい
・内部転換係数
=「内部転換電子放出数」÷「γ線放出数」
→0~∞までの値を取りうる
内部転換は比較的重い核に多く起こる
放射性壊変の概要に関してはこちら↓
「対策ノート:放射性壊変と放射能-核分裂」

特性X線の発生
(R2.14)
励起状態の原子が基底状態に戻るために放出する光子
・K特性X線
:K殻に生じた空位により生じた特性X線
Kα,Kβなどがある
K特性X線のエネルギー
=K殻結合エネルギー-L殻結合エネルギー
放出確率:Kα>Kβ
エネルギー:Kα<Kβ
・特性X線のエネルギー
K特性X線>L特性X線
(K殻結合エネルギー>L殻結合エネルギー)
・吸収端エネルギー
:各殻における結合エネルギー
・蛍光収率
蛍光収率=「特性X線放出数」÷「軌道空席」
原子番号が大きい(Z≧32くらいから)
→蛍光収率が大きい
→特性X線の割合が大きい
X線の発生に関してはこちら↓
「対策ノート:X線の発生」

オージェ電子
(R2.19)
特性X線の代わりに放出される外側軌道電子
・オージェ電子のエネルギー
=特性X線のエネルギー-軌道電子の結合エネルギー
K殻オージェ電子のエネルギー>L殻オージェ電子のエネルギー
*K殻オージェ電子
:K殻に生じた空位によって放出されるL殻以上の電子
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